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さて,今日から,全学連の活動実態を8回に分けてレポートしてまいりますので,どうぞよろしくお願いします。膨大な経験を,ごく短い時間で書き出しているため,非常にチープな文章が並んでいますが,その点ご容赦いただければ幸いです。
 全学連――近年では,加盟自治会関係者しか知る人がいない組織になってしまいましたが,往時は,加盟自治会も今よりずっと多く,党員・非党員含め,多くの人が少なからず関わったことのある組織でした。そのため,現在の40代より上の世代の方の中には,たまに,全学連のことをよく知っている方がいらっしゃったり,加盟自治会の元役員という方がいらっしゃったりします。また,共産党の幹部の少なくない部分が,全学連出身です。大学で民青に加盟し,そのまま共産党に入党,学園の自治会で活動し,学連役員に「出世」,卒業後はそのまま党専従に,というルートが,共産党の正統な幹部出世ルートなのです。学生支部出身者の割合が低下したとはいえ,この構図はいまも生き残っています。たとえば,東京都委員会の若手専従のほとんどは,このルートで,大学卒業と共に党専従となった方々です。
 しかし,過去に全学連と関わったことのある人にとって,全学連の衰退ぶりは驚くべきものがあるでしょう。最近は,あまりにも活動が縮小してしまい,活動実態があまり外に伝わらなくなってもいます。
 主に,過去,全学連に関わったことのある人や趣味者の方々を対象に,近年の全学連の活動実態をリポートしたいと思います。
 なお,本記事においては,全学連の現場の事情をいろいろと記しますが,全学連は学生自治会の開かれた連合体を標榜しており,社会に対して開かれた組織であるはずです(現実はそうではありませんが,建前として)。ですから,秘密の暴露などにはあたらないと考えています。そもそも,役員名が学生にまったく知られていない時点で,学生の代表性なんてほとんど完全に失われています。共産党の田川豊氏など,私や,自治会執行部現場の党員に,「全学連はやせても枯れても学生の代表」などといっていましたが,それは結局,表面的に,「規約を守ってきた」ということだけが根拠です。彼らの,規約を守りさえすれば何をしてもいいという官僚的思考があらわになったものでしょう。
 以下,年中行事,担い手(書記局・参加校),機関紙・財政の順に述べていきたいと思います。

全学連(一部都学連)の年中行事
近年の全学連の年中行事について記しましょう。
■3月上旬 全学連大会
 3日間の日程で行われます。会場は,2011年3月の場合,全教会館と平和と労働センター,宿舎はふたき旅館でした。日程は,ぐだぐだと書くよりも,下記写真で時程表を見ていただきましょう。
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 参加者数は,ここ数年は50名ほどです。これは,代議員のみの数字で,未加盟・未結集学園からの参加者は評議員資格で出席することになり,だいたい10名いるかいないかくらいでしょう。未加盟・未結集学園からの参加者というのは,たまに,自治会をまじめにやっていて,活動を交流したいと思って来る人もいますが,たいがいはその大学の党員・同盟員です。このあたり,ほんとうにセクト的で,2011年3月の全学連大会では,大阪大学から,学費問題について問題意識のある方が連れてこられていたほか,2011年6月の国会要請では,法政大学から,就活について不満を持つという人が連れてこられていました。2011年9月の自治会セミナーには,福島大学から来ていましたが,民青のビラを持って話してるし…。別にいいのですが,しかし,結局は共産党のほうで連れてきているという…。発言については,自由にできると必死にアピールしているようですし,今年なんかは,批判を避けるために,少しは自由化したかも知れません。しかし,2010年3月の大会に参加した人の話によると,反対の立場の発言通告を出したところ,全学連委員長が直々に来て,威圧的に「なんで反対なの。反対の立場で発言して欲しくないんだけど」などと説得にあたるなど,素人の学生が自由に発言できる雰囲気ではとてもありません。私なんかも,党的な立場だったとはいえ,党が蔑視していた実務活動の重視を訴える発言をしたところ,役員席から笑い声が聞こえていましたからね。学生に通用するビラのひとつも作れない人たちに,実務活動の重視を訴えることを嘲笑されるいわれはありません。
 大会中は,班に分かれています。この班がくせもので,党的にすこしやっかいな人の班には,こてこての党員がチューターに割り当てられるなど,かなり恣意的なものです。夜には,チューター会議が開かれ,出席者の提出した感想文を回覧。あの提出した感想文は全部読まれているのですよ。そうそう,2011年9月の自治会セミナーのときに,我らが東大教養からの参加者の某クン(いまでも自治会で活動している後輩)が,「講師は共産党員じゃねーか」と感想文用紙にかいたところ,回覧のさい,前全学連委員長が,勝手にその感想文を回すのを自分の所で止めてましたね。非党員の目に触れるとまずい,と。
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 大会開始前の一幕。「ラパスホール」にて。

■3月上旬 1中執
 全学連大会終了直後にそのまま行われ,旧・新中執が出席します。書記局が用意したレジュメにしたがって,話し合ってゆきます。結論はすべて党全学連グループでだいたい決まっているのですけどね。それを参加者もやはり意識してしまうのか,だいたい,結論は先に決まっている雰囲気があり,あくまでそこから逸脱しない範囲内での発言などがつづきます。
 なお,2011年3月のさいは,終了後,御茶ノ水駅前での「奨学金の会」の宣伝行動に参加し,関係の民主団体に新中執を「お披露目」していました。

■4月中旬 2中執
 2回目の中央執行委員会です。中央執行委員会は,たいてい,宿舎をふたき旅館,会場を平和と労働センターとして,1泊2日で行われます。交通費含め諸費用は全学連が負担します。議事録は書記局がかなりしっかりとっており,後日送られてきます。

■4月中旬 スプリングセミナー
 都学連の行事。自治会役員を集めるためのセミナーという位置づけで,東大,学芸大,農工大,社会事業大の執行部が,興味のある1年生自治委員等やこっそり1年生同盟員を連れてきます。内容は,レクリエーション,「自治会そもそも論」,大学予算問題・学費問題についての学習などなど。
 いやあ,内容がお花畑過ぎて,新入生を連れてくるのが心苦しかったですよ。普通の感覚なら,このセミナーに来たら,「自治会まるで宗教みたい」と思って離れてしまっていたことでしょう。逆に言えば,こんなセミナーに参加してその後自治会活動に関わる人の考えも,失礼を承知で言うと,宗教的な部分が小さくなかったでしょう。とはいえ,都学連から強力な追求がくるので,無視するわけにもいかず,しぶしぶ新入生を連れてくるのです(学連の行事などをスルーすると,書記局員が自治会室に飛んできて,会議にオブザーバーとして参加したり,役員を詰め始めたりします。)。ほんと,新入生を騙すような心情で,心苦しかったものです。結局,党派的自治会の執行部員の集め方は,自治会の「すばらしさ」なるものを教え込み,自治会を居場所にすることで人間関係的に固定をはかることに頼ることになるんですよね…ほんとうに公的性格を持つ組織としてきちんと活動しているなら,まさか大学生にもなって,担い手の募集で「レクリエーション」なんかしませんから。これでも,私はオブラートに何遍もつつんで話しているくらいです。
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 スプリングセミナーの一幕。画像一部修正。

■5月中旬 新フェス
 都学連系の行事。東大生には言わずと知れた茶番イベント,新フェス。以前から,全学連が,新歓活動を非常に重視していたことと関係するものです。私が思うに,全学連が異様なまでに新歓活動を目的化して重視していたのには,新歓活動において全学連・民青が主導権を握り,その中でオルグをするという裏目的があったのではないでしょうか。
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 新フェスの一幕。

■6月中旬 3中執
 2011年にはSkypeを用いて行いました。財政が厳しいためですね。また,2011年度からは,経費節減のため,中執の宿舎および会場として基本的にオリセンを使うようになりました。このあたり,やはり,財政について現場の役員が責任を持っていない(党が決めている)ため,支出改革などの足取りは非常に遅いです。現場役員にできることは,不明金をできるだけ少なくすることくらい。

■6月中旬 国会要請
 2011年は中止。これも,財政と体力が足りないためです。この決め方がほんとにひどくて,3月の中執で,書記局が,わざとらしく「6月の国会要請どうしますか。財政が厳しいです」と,何を言いたいのかよくわからない提案をしはじめ,しだいに,財政の厳しさを強調し始めたところで,出席者は,「6月の国会要請をなくすのが結論なんだな」ということを読み取り,誰からともなく「しょうがない,なくしましょう」という話が出て,これで書記局は「では,6月の国会要請はなくすと言うことで…」のような形で結論を決めていました。要は,結論は党ですでに出ていて,中執会議は出来レースだったということですね。ただし,2011年は,6月の国会要請が中止になった代わりに,都学連が独自に8月始めに国会要請を開催しました。また,2012年は,東CZに対して「全学連は国会要請をしている」とアピールする必要もあってか,復活していました。

■国会要請直後 「全国学生集会」
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 例年,国会要請とセットで,「全国学生集会」が開かれます。たいてい,金曜日午後に国会要請をやり,そのままオリンピックセンターに宿泊。翌朝,東大駒場キャンパスを会場にして全国学生集会を開催するという段取りになります。参加者数は,私が参加した数回では,だいたい50人くらいだったでしょうか。全国学生集会終了後には,「アピールウォーク」や「街頭宣伝」をするのも恒例です。
 東大教養自治会というのは,2009年頃から,すでに,役員の中に反全学連の立場の人もおり,会場については,東大教養自治会の一部役員と全学連との間で対立することが多く,当時全学連派だった私には頭の痛い問題でした(笑)。というのも,まず,開催校が盛り上がってないと全国学生集会の面目が立たない,ということもあってか,大規模な宣伝をするように求められるのです。当然,全学連の全国学生集会の宣伝なんかをビラや立て看でしていたら,自治会のイメージは落ちるばかり。しかも,当然のことながら,それを見て,実際に全国学生集会に来る東大生は,ほとんどいませんでしたね。2010年6月の回で一人いただけかな。東大のキャンパス内で開いてもその状態というわけで,全学連はとっくに東大生から見放されていたことを物語っています。また,大学側に,会場の借用を求めると,学外団体だと手続が複雑になるので,大学側から,東大教養自治会が全国学生集会の共催者になるように求められるのです。反全学連の自治会役員からすれば,東大教養自治会が全学連の企画の共催に名を連ねるというのはとうてい承服できなかったわけです。常任委員会でも,全国学生集会の会場問題については,いつも採決が割れているものでした。写真は,2010年12月18日に行われた「12・18交流集会」で,会場として使われたのは東大駒場キャンパス1号館109教室です。学外者ばかり50人ほどで,東大生は,自治会関係者以外一人もいませんでした。また,私の参加した分科会には,あの青い腕章をつけた民青新聞の記者が取材できていました。これで党派性は無い,は通用しませんよね…。
 東大教養が脱退したいま,全国学生集会の会場はオリンピックセンターに移ったようです。

■7月下旬 4中執
 中執です。

■8月上旬 原水禁世界大会
 言わずと知れた,原水禁世界大会。全学連と一般学生の矛盾がもっともわかりやすく出てくる場所でしょう。事実,東大以外も含めて,非党員の自治会関係者に話を聞くと,皆さん一様に世界大会のことを述べます。
 全学連は,実行委員団体に名を連ねるほか,階層別集会として,世界大会の会期中に「全国学生集会」を主催します(下図・ビラ)。このビラや内容のお粗末さが,すでに民主団体の中でも全学連がじり貧になっていることを印象づけるのです。
全学連平和集会
 全学連として,学生の世界大会への参加を組織します。傘下自治会に案内を送り,協力的な自治会では,自治会費を使って学生を派遣します。地方学連が,ツアーを組織することもあります。
 都学連では,毎年,「東京学生ツアー」というのを組織しています。夜行バスを貸し切っての強行軍です。長崎大会のさいは,大阪~門司間をフェリーで移動する場合もあります。いろいろツッコミ所あるんですがね…。まず,このツアーは,党的には,東京都の学生を対象にしたものになっているので,加盟学園以外や,自治会のない学園からもわんさか参加してきます。要は,その学園の同盟員・党員なわけです。伝達なども,完全に党・同盟ルートで行われます。東大駒場の民青班会でも,ビラが配布されていましたから。また,「東京学生ツアー」という名称でもっぱら呼ばれるのですが,これ自体,原水禁世界大会中心の視点からつけられた名称ではないでしょうか。事情を知らない人からしたら,何に参加するツアーなのかまったくわかりません。これが上からの「運動」であることをはからずしも示しています。本当に東京の学生を中心に据えるなら,「原水爆禁止世界大会ツアー」だろ…。
 東大教養では,自治会執行部員の参加を組織していたほか,当時存在した「平和擁護委員会」で,各クラスからの参加者を募っていました。大体,毎年,執行部から6,7名,一般から4,5名くらい参加していましたかね。参加費は,「東京学生ツアー」に支払うことになっており,1名あたり約5万円。自治会費から全額出しており,参加費負担はありませんでした。
 全学連や都学連なんかの現場では,かなり非党員に配慮して運営がなされます。しかし,原水禁世界大会の圧倒的多数の参加者は,普段党員だらけのところで活動しており,世界大会も,全員党員支持者だという前提で行動するので,非党員はここで気づくんですね。他の学園の自治会元執行部員(非党員)に聞くと,志位和夫が全体会議で演説した後,大会班の班長がうるうる感動しながら,「これからもわが党の事業の発展のために尽くしましょう」などと言ってしまい,「ああ,こんな所なんだ…」と思ったそうです。また,2011年8月の長崎大会では,青年を集めた企画があったのですが,そこのメイントークの参加者4人が4人とも,「民青に入っているんですけど…」「地域の民青で活動していて…」と自己紹介。あとで,宿舎に戻ったときに,当時東大4年の全学連幹部から,「(東大からの一般人の参加者に)不満がたまらないように,ガス抜きをしといてくださいね」と言われたものです。わかってんなら連れてくるな!という感じですね。あと,世界大会は,自治会執行部員の民青へのオルグの場としてもしばしば使われており,TCZの私たちより上の代では,非党員のほとんどが勧誘に遭い,不愉快な思いをしています。「勧誘の自由」を振り回す日本共産党には,反社会的勢力に勧誘されることがいかに不愉快か,そして,いかに人々を蹴散らす結果になるか,いつまで経っても理解できないことでしょう。悲しい集団です。
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 原水禁世界大会,全体会の一幕。

■8月下旬 5中執
 中執です。

 9月~翌年3月は次回以降エントリにて紹介します。