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前回の続き

■9月上旬 自治会セミナー
 全国の自治会役員等を集めて,活動交流や学習を行うセミナーです。会場は,「京都,長野,愛知」で持ち回りです。2009年9月は京都(立命館大),2010年9月は愛知(日本福祉大知多),2011年9月は長野(信州大松本),2012年9月は愛知(日本福祉大)で開催されています。
 日程は以下の通り。
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 全学連の中では,もっともまともな企画といえるでしょう。余計な党派色も基本的にありませんし,民青への勧誘もありません。しかし,問題がないわけではありません。
 まず,2011年9月の,佐貫浩氏による記念講演は,あまりに党派的で,一部で物議を醸しました(こちら)。東大の党員の間でも,「あれは「科学の目で見る大学」講演だったねw」などと陰口をたたいたものです。党系の大衆団体の講演の講師なんて,だいたい,党から「誰だれにしよう」などと提示されますから,おそらくこのときもそうして決まったのでしょう。
 あとは,参加してもあまり役に立たない,という点ですね。これは,自治会セミナーの問題と言うよりも,全学連における自治会活動論の硬直化・停滞を反映したものだと言えます。分科会がたくさんあるのですが,失礼ながら,ことごとく内容が薄い。レジュメは大学生がつくったとは思えないレベルのものもあります。分科会の担当者はたいてい全学連中執でして,彼らの能力が低いと言いたいのではありません。要は,全学連全体で,もはや,たいした中身のある自治会論が存在しなくなっているのです。この理由はいくつかあると思うのですが,ひとつは,党が責任を持っている事による,硬直化および学生からの遊離。もうひとつは,政治偏重で,実務を軽視・蔑視する点です。共産党・全学連は,政治闘争が運動団体の本分だと考えています。それは私も認めます。しかし,政治闘争を重視するあまり,政治闘争至上主義に陥ってしまい,実務活動などを蔑視するようになるのです。私は,2010年4月に入学して自治会に関わり始めた当初から,当時の自治会の無残な実務を見て,実務活動をきちんと整えない限り,政治的にいくらはねても学生の信頼が得られるわけがない(例えば,当時,自治会会計の不明金は20万円に及んでいた)と思い,実務活動を必死に整えてきました。しかし,それに対する党・学連の見方は,「実務活動は官僚がやること。活動家であるおれたちがやることではない」という冷たいものでした。話が膨らみましたが,それゆえ,自治会セミナーの分科会の内容は,具体性・実践性に欠けるものが多かったのです。会計分科会など,ほんとは,エクセルによる帳簿フォームの共有とか,お金の保管の仕方とか,両替に手数料のかからないところの紹介とか,役員交代時の通帳名義の変更法とか,釣り銭ケースの活用法とか,超実践的な内容でないと意味がないのに,なにをするかといえば,「自治会財政の原則――学生に依拠すること」などの抽象的な政治論をぶっているだけなのです。もちろん,「自治会そもそも論」や会全体の雰囲気が宗教的というのはあります。なにせ,上の写真にも写っているスローガンが「全国と心ひとつに,学び,交流し,元気が出る」って共産党ですか。元気が出ない自治会活動って,それは間違っているんですよ。学生との関係で矛盾があるから元気をなくし,党派的自治会の役員同士あつまって傷をなめあうような逃げ道を求めてしまうのではないですか?
 これらを克服した「自治会セミナー」を開けば,全国各地の自治会関係者にとってもよろこばれるだろうなあと思っています。もちろん,その主催者は全学連とは限りませんが。
 参加者数は約50名ほど。全学連の結集校(立命館大,京都橘大,日本福祉大,信州大,東京大,東京農工大,東京学芸大,東京経済大のほか,たまにくる学園として,名古屋大,社会事業大)が勢ぞろいするほか,毎年,全学連がどんな団体かよく知らずに来てしまう未加盟・未結集校があります。ここ数年だと,大谷大,石巻専修大,山形大,大阪府立大,常磐会学園大,京都大などが来たことがあります。
 2011年の自治会セミナーの分科会構成は次の通りでした。
<学習分科会>
1 学生の就職難・雇用
2 東日本大震災と原発事故
3 大学改革と高等教育予算
4 平和と民主主義
5 日本の学費
6 キャンパスづくり

<実践分科会A>
1 要求実現への道(概論)
2 学生の声・実態集め
3 クラス自治・中間代議機関(委員会活動)
 私が担当。日本福祉大の人から,連絡システムの作り方を尋ねられたのを覚えている。私も当時は抽象論中心で,そうした技術面について,もっと具体的に教えてあげれば良かったなあ。当時,TCZが採用していたのは,freemlによるメーリングリスト。現在,TCZはOfficeによる差し込み式同報メールを採用。同報メールは,自治会執行部とクラス役員の間の連絡を抜本的に改善してくれるから,他大の自治会とノウハウを共有したらよろこばれると思うな。
4 学生大会
5 当局交渉

<実践分科会B>
1 学生自治会の再建・建設
2 執行部建設(執行部新歓・引き継ぎ・選挙など)
3 執行部運営(会議・意思統一・学習など)
4 学生自治会を発展させる広報活動
5 財政活動
6 活動を発展させる実務のツボ
 私が担当。コテコテの技術教室を開こうとしていたら,資料を準備中の8月に,当時の全学連書記長からメールで待ったがかかって,「自治会の発展はまだその段階に到達していない」などと言われて,結果,実務といいながら抽象的でよくわからない,中途半端な内容に押し込められることに。私と同じ問題意識を持って参加してくれた出席者の各位には申し訳ないことになってしまった。

■9月上旬 6中執
 中執です。だいたい,12月の国会要請について話し合うことになるのかな。

■12月中旬 国会要請
 国会要請です。だいたい,衆議院第一議員会館地下の会議室を会場にして,最初に,文部科学省(と厚生労働省)の担当者を呼んで交渉。その後,班に分かれて,両院の文部科学委員会所属の議員の議員控え室を回ります。
 東大の党員どうしで話していたことで…共産党・全学連というのは,外からどう見えるかについての意識がいつも足りないと思うのですが,それと関連して,私服で国会要請というのは,議員に対して「どうぞなめてかかってください」と言っているようなものでしょう。2011年8月の国会要請など,私はスーツを着用して行きましたが,他の皆さんは,みな平服でしたね。あとは,やはり理論レベルが低いのか,なんとも,交渉に迫力がないのです。別に,だから私が迫力を持って文科省担当者と渡り合えるわけではありませんが,しかし,少なくとも,共産党が関わったからと言って政治的レベルが上がるといった効果はほとんど無いことが示されていると言えるでしょう。むしろ,共産党が関わっていることによるデメリットの方が圧倒的に上回る。共産党の「サポート」がなければ政治闘争ができなくなるなどという幻想をはやく捨て去るべきです。
 議員への要請の仕方は,たいてい,全学連が年ごとに実施する学費署名の紹介議員になってほしいということを要望し,署名用紙と,学費黒書などを渡すという形です。もちろん,これはどの団体に対してもそうでしょうが,議員本人が対応することは少なく,ほとんどは秘書対応です。政策は実際には秘書が深く関与していることも多いので,秘書が出てきたからと言って落胆することはないのですが。

■12月下旬 自治会学校 
 東京都学連・信大学連の共催で開催。会場は毎年東京都内,1泊2日。2010年は大学セミナーハウス,2011年は東大駒場(渋々会場を貸しましたよ)・オリセン,2012年…開くの?
 自治会セミナーの縮小バージョンです。存在意義は微妙…参加人数は20人ほどでしょうか。2011年12月のとき,東大教養から当時の1年生役員が割とそろって参加しましたが,これ,実は,1年生が全学連・都学連の実態を知るためだったのです。参加を終えて,一様に「これじゃあなあ…」。

■1月中旬 7中執
 中執です。そろそろ,全学連大会の決議案を作り始めます。それに盛り込むために,各大学の取り組みを報告します。

■2月下旬 都学連大会
 都学連の定期大会。1日の日程で行われます。
 出席者数は15人ほどでしょうか。2011年2月のときは,東大,学芸,農工だけでした。東経はこのときすでに不参加。社会事業大から1名来ていましたが,社会事業大は組織的には全学連に結集していないので,評議員資格。
 ところで,以前尋ねられたことがあるのですが,全学連や都学連の役員に,東大の3,4年生が就いていることがあります。東大の3,4年の自治会はすでにすべて活動を休止しているのですが,どんな資格で役員を務めているのでしょうか。これは,規約等の規定を二重に使っているのです。まず,役員選挙の被選挙権は大会代議員が持ちます。そして,大会代議員になれるのは,各大学の代議員と現職の役員なのです。つまり,2年生の冬に,学園の資格で大会代議員になり,ここで副委員長に選出されます。3年生の冬には,副委員長として大会代議員になり,都学連委員長になれるというわけです。理論上,役員ドミノをつづければ,大学に在籍する限り役員を務めつづけることができます。
 ちなみに,東大教養では,例年,委員長が全学連中執を,副委員長が都学連執行委員(都執)を務めていました。
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 都学連大会の一幕。

■3月上旬  8中執
 全学連大会前日の中執。すなわち,全学連大会の前後で,中執は約5日間泊まりがけということになります。なんかなあ…実勢50名程度の組織にふさわしい規模とはいえないですよね。もっと活動をスリム化するなど,いろいろできることはあった(過去形)はずだと思います。


 ところで,私は,2011年3月から2012年3月まで全学連中央執行委員を務めることになりました。全学連方面からは, 「そんなに批判するならおまえが役員だったころに行動するべきだっただろう」などと言われそうです。それに答えておきます。まず,全学連のいまのていたらくは,歴史的・構造的なものであり,現場の中執個人でどうこうできる問題ではありません。そして,人間,どこでも合理的に行動できるわけではなく,周りを党員に固められた中執会議のその閉ざされた空間で,異論を差し挟む勇気は,私にはありませんでした。批判者に対して「じゃあ中に入って解決しろよ」と言うことが,事実上の異論封殺に等しいのと同じ事です。
 私自身,党的な立場だったころから,自治会はまず学生(東大生)のためにあり,全学連に結集するのは必要に応じてその後に考えるべき事だという思いが強く, 中執には結局2回しか出席しませんでしたね。だって,1泊2日で,貴重な土日がつぶされるゆえ,日常活動への影響が大きいのですよ。最も重要な,東大生に関わる課題を大量に抱えている中で,のこのこ中執に毎月出かけようとは思えませんでした。ただ,全学連は公的性格をもはやもちあわせていないとはいえ,現に学生の金が投入されているので,出席しないときも,最小限の意見等は書記局にメールしたり,大会には委任状を出すなど,最低限の義務は果そうと務めていました。